前提:ホームページは「集客」ではなく「最後の一押し」
まず勘違いされやすいのですが、採用におけるホームページの役割はあくまで補助です。求職者は、最初からあなたの会社のHPを見に来るわけではありません。
一般的な求職者の行動動線はこうです。
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求人サイトやハローワークで仕事を探す
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気になる会社をいくつかピックアップする
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その会社名で検索する
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公式ホームページで実態を確認する
つまりホームページは、応募を集める場所ではなく、「この会社に応募して大丈夫か?」という最終判断の材料なのです。
「ハローワークに出してもダメ」という認識のズレ
よく「ハローワークに出しているけど、そもそも人がいないから応募が来ない」という相談を受けます。しかし、現実は少し違います。
多くの場合、「見られていない」のではなく「見られた上で選ばれていない」のです。
求職者は、ハローワークの求人票をスマホで眺めながら、同時にその会社を裏側(ホームページやSNS)で品定めしています。そこで情報が何もないと、候補から外されてしまう。つまり、比較の土俵で「不戦敗」している状態です。
条件で勝てないなら、何で選ばれるか?
求職者がまず見るのは「条件」です。
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給与、勤務時間、休日、福利厚生(定量的な情報)
ここが他社より圧倒的に良ければ、HPがなくても人は来ます。しかし、中小企業にとって給与を上げたり休日を即座に増やすのは、現実的にハードルが高いものです。
条件(数字)で差がつかないとき、求職者は「感覚的な部分」で判断します。
「職場の雰囲気はギスギスしていないか?」
「どんな先輩が、どんな表情で働いているのか?」
「未経験の自分でも、置いてけぼりにされないか?」
これらは求人票の文字だけでは伝わりません。「ここで働く自分」をイメージさせる情報。これこそが、ホームページでしか伝えられない項目です。
事例:情報が「ゼロ」だったタクシー会社
今回支援したタクシー会社も、まさにこの状態でした。
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ハローワークにはずっと出している
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条件も、地域の平均より決して悪くない
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なのに、数ヶ月間応募がゼロ
理由はシンプルです。ホームページがなかったため、会社の「中身」がブラックボックスだったから。
求職者からすれば、条件が同じなら「中身が分からない不安な会社」より、「情報が公開されている安心な会社」を選ぶのは当然の心理です。
ホームページで「中身」を可視化した結果
新しく作成したホームページでは、単なる会社概要ではなく「採用目線」の情報を徹底的に盛り込みました。
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ドライバーのリアルな1日: 何時に出て、どこで休憩し、いつ帰るのか
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未経験者の声: 前職は何だったか、最初の1ヶ月で不安だったことは何か
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社内の空気感: 事務所での何気ない会話や、所長の考え方
結果: それまで半年間ゼロだった応募が、公開後すぐに動き出し、月平均2〜3名の安定した応募が入るようになりました。
まとめ:採用とは「選ばれる理由」を作ること
採用がうまくいかないと、つい「労働市場が悪い」「人がいない」と考えがちです。しかし実際には、比較された際に「選ばれる理由」を提示できていないだけのケースがほとんどです。
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条件(数字)で勝負するのか
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中身(安心感・雰囲気)で勝負するのか
条件をすぐ変えられないのであれば、まずは「見えなかった情報」を見えるようにすること。それが、今の採用市場における最短ルートです。
